会長挨拶

 新年、明けまして、おめでとうございます。同窓の皆さんにおかれましても、無事、穏やかに 2017年(平成29年)を迎えられたことと思います。
 本学農学部の前身、宮崎高等農林学校は、大正13年に設置され、その5年後の昭和3年に第1回生が卒業しましたから、わが同窓会の歴史はこの年に始まり、爾来、88年を経過いたしました。これまで同窓会員として迎え入れた農学部卒業生は1万8千人を超えるまでになりましたが、これも偏に皆様、同窓生各位のご理解とご支援の賜であることに、改めて御礼申し上げる次第です。(補足:宮崎高等農林學校校歌の作詞は若山牧水、作曲は島崎赤太郎です)
 たまたま、この2年間、輪番制によって宮崎大学同窓会連合会の会長を務めておりますが、わが農学部同窓会「船塚会」は、組織的な運営力等々において、十分に有意な存在であることに変わりありません。他学部の同窓会においても、このところ、その充実、発展に向けての取り組みが徐々に活発化していることは同窓会連合会としても喜ばしい限りです。昨年10月に本学第5番目の学部「地域資源創成学部」の設置記念シンポジウムが330記念交流会館で開かれましたが「一つの学部では何もできない、全学部挙げての支援態勢があってこそ発展につながる」ということを再認識いたしました。
 農学部同窓会においては、本務である「地域支部」と「現役学生の教育研究」の活動支援に引き続き力を入れてまいります。昨年も幾つかの県外支部の総会に出席しましたが、各地域における同窓会意識の高まりと結集への兆しを幾つか感じ取ることができました。各地域支部におかれては、さらなる充実に向けて、引き続き着実に活動をお進めいただくようお願いする次第です。現役学生支援のための学部協力については、若干ながら奨学寄付金を増額いたしました。
 農業ひいては農学部に係わる目下の社会的な関心事といえば、やはり、TPP(Trans-Pacifi c Strategic Economic Partnership Agreement、環太平洋連携協定)でしょう。この際、冷静に「農業」について、もっと真剣に考えておく必要があるように思います。そこでここに極めて有用な考え方がありますので、この誌面をお借りして御紹介しておきます。
 宇沢弘文氏(1928~2014、元東大教授、動学的な経済成長理論を提唱。ノーベル経済学賞を逃した学者として知られる)は「社会的共通資本」を国ないしは地域社会が自然環境と調和し、すぐれた文化的水準を維持しながら、持続的に経済的活動を営み、安定的な社会を具現化するための安定化装置に喩えています。社会的共通資本は人間が生存するために絶対必須のものであり、経済的、文化的、社会的活動のために極めて重要な機能を果たしているというわけです。教育、医療等と同じように「都市や農村」も社会的共通資本です。そして、その管理と維持は、当然のことですが、密接不離に係わっている生活者の集まりや職業的専門家集団によって実施されねばなりません。「農業とともにある農学部」は、この職業的専門家集団に相当します。従って、農学部における教育・研究の役割は殊のほか大きいということになります。TPP問題が、何かスッキリせず、上滑りしているように感じるのは、この社会的共通資本の考え方を理解しないまま、いや無視する形で、しかも国際的に進められていることに原因があるのではないでしょうか。
 では、同窓会員各位の更なるご健康とご発展を祈念しつつ、2017年(平成29年)新年のご挨拶を申し上げました。

事務局附記:宮崎大学名誉教授・元宮崎大学農学部長(2003.10~2007.9)
同窓会会長(2013.5~)


農学部長挨拶
農学部長 川村 修

 新年あけましておめでとうございます。宮崎大学農学部同窓会の皆様方におかれましては、新たな気持ちで新年をお迎えのことと拝察申し上げます。一昨年10月より学部長を仰せつかり、本同窓会誌に新年の挨拶を寄稿し、新たな気持ちで出発したのが昨日のごとくに思われ、あまりの時の移ろいの早さに、時として池塘春草の夢のごとき思いにかられます。
 さて、昨年来より第3期中期目標期間が始まり、大学本来の責務である教育研究のみならず、地の利を活かした地域活性化の中核拠点としての役割(ミッション)が重要視されるようになりました。農学部は、これまでの長い歴史が示すように、農林水産業の盛んなこの宮崎県や九州圏及び全国に対し、多くの農学分野の中核人材を育成し輩出するとともに、昨年は農学の研究を通して多くの技術を提供してきました。このような農学部の役割をさらに発展させるために、宮崎県との連携推進会議を開催し、それぞれにニーズやシーズのマッチングを図ることにより、具体的な共同研究の推進を行うこととしました。また、県側より農学部の教育への参画をしていただくことになり、研究面ばかりではなく、教育面での連携がより密なものになってきました。さらに、農学部は、五ヶ瀬町及び西都市との連携協定に加え、小林市と新たに連携協定を結び、畜産分野での地域活性化を目指して共同研究を開始しました。農学部の運営面では、農学部附属フィールド科学教育研究センター(木花農場、住吉牧場、田野演習林、延岡水産実験所)が、平成28年度より収入連動制に移行し(動物病院は以前から収入連動制)、フィールドでの作物や畜産物などの売り上げが次年度の予算に反映されることとなり、増収によるフィールドセンターの運営の円滑化と活性化が期待されます。また、教育面では、平成28年度から始まった外国人対象のグローバル人材育成学部教育プログラムにタイ国から7名の優秀な学生が入学し、4月から7月までの間に日本語や英語及び一部の専門基礎教育科目を履修し、8月から2年間タイのカセサート大学に留学中です。3年生になって宮崎に帰ってきたのち、英語での専門教育科目や卒論を履修することになっています。この教育プログラムのほかに、農学部は「グローバルキャンパスin農学部」の一貫として、アフガニスタン、アフリカ諸国、大西洋諸島などから現在約40名の学部・研究科の学生を受け入れ、さくらサイエンスなどの事業で一時的に農学部を訪れる外国人学生は40名を超えています。日本人学生は、約40名が海外へ「トビタテJAPAN」などの制度を利用した留学や一時的な研修に出かけていますが、今後、日本人学生の海外での留学や研修をさらに増やしていく必要があります。農学部同窓会には海外交流活動に関してご理解とご支援をいただいて降りますことに、この場を借りて心より感謝申し上げます。研究面では、井口純准教授(畜産草地科学科)が黒屋奨学賞(日本細菌学会)、増田順一郎准教授(植物生産環境科学科)が園芸学会奨励賞、平田令子講師(森林緑地環境科学科)が日本森林学会奨励賞、藤掛一郎教授(森林緑地環境科学科)が森林経済学会賞、酒井正博教授(応用生物科学科)がマリンバイオテクノロジー学会を授賞するなど活発な研究活動が展開されています。また、大野和朗教授の天敵を利用した病害防除に関して「ひらけ!進路・新路・針路 天敵パワーで減農薬」と題して朝日新聞全国版で紹介され、注目を浴びました。さらに、大学の教育研究基盤経費が半減され、外部の競争的資金を求めて、多くの先生が日夜予算申請に注力している中、明石良教授(畜産草地科学科)が科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)の「環境変動に対する植物の頑健性の解明と応用に向けた基盤技術の創出」に、西野光一郎准教授(獣医学科)が日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療実現拠点ネットワークプログラム(幹細胞・再生医学イノベーション創出プログラム)」に採用されるなど、獲得が非常に困難な競争的大型研究プロジェクトを活用した研究展開が期待されるところです。このような農学部の教育研究活動は、農学部ホームページ上で一般の方にもわかりやすく紹介する「のうがく図鑑」として順次掲載していきますのでご期待ください。
 最後になりましたが、宮崎大学同窓会からの多くのご支援に感謝しつつ、今後もご指導・ご鞭撻をいただきますようお願いし、また、みなさまのますますのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

事務局附記:2003年4月から宮崎大学農学部教授 2015年10月から農学部長


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